飼い主のいない猫(野良猫)へのエサやりついて

イラスト:猫2匹

県内には、飼い主に捨てられたり、屋外で不適切に放し飼いされた猫やその子孫が飼い主のいない猫として多数生息しています。
 しかし、こういった猫たちを「かわいそう」と思うあまり、間違った世話をしてしまうと、生活環境の悪化や近隣トラブルなどにつながり、人にとっても、猫にとっても不幸な結果を招きかねません。

無責任にエサをあげるのは、絶対にやめましょう!

もしエサやり等の世話をしたいなら、猫についての正しい知識を身に着け、『飼い主のいない猫の適正な管理』を実践しなければなりません。

まずは猫の習性を知りましょう

猫の繁殖力は凄まじい

メス猫は、早いと生後4ヶ月から妊娠可能になり、1年に最大4回出産し、多いと一度に8匹の子猫を産みます。また、交尾排卵動物といい、交尾すると必ず妊娠します。
 試算上は、1匹のメス猫から、3年で2000頭に増えてしまうのです。

野良猫の増加推移
猫のトイレ事情

猫は、外敵に居所を気取られないよう、うんちやおしっこに土や砂をかけて隠します。柔らかく、掘り返しやすい地面を好むため、畑、花壇、公園の砂場などがトイレに選ばれやすい傾向があります。
 一方で、おしっこはその匂いの強さから、縄張りの主張にも使われます。オス猫は、木の幹や建物の壁などにスプレー状におしっこをかけます。

狭い縄張りに複数のエサ場

猫の縄張りは意外に狭く、日常生活圏は直径100m程度と言われています。
 また、猫は犬と違って食いだめができないため、こまめに食べる必要があります。狭い縄張りの中に複数のエサ場を持っていて、エサ場を巡回します。人からエサを貰って生きている猫の場合、複数人から、それぞれ別の場所、別の時間帯に貰っていることが多いです。

適正な管理の方法

地域猫活動を推奨しています

飼い主のいない猫の適正な管理の方法として熊本県が推奨しているのが、『地域猫活動』です。
 飼い主のいない猫に関するトラブルを地域のみんなで協力して解決し、『住みよい地域』をつくる活動です。
 詳しくは以下の内容及びリンク先をご覧ください。
 【はじめませんか?地域猫活動】
 

避妊去勢手術をしましょう

飼い主のいない猫のお世話をしたいなら、避妊去勢手術は全頭必須です。
 手術の際に、避妊去勢手術済である証として、耳の先をV字にカットしてください。(=さくら猫)
 飼い主のいない猫の避妊去勢手術は、一部市町村が補助金制度を実施しているほか、熊本県動物愛護センター「アニマルフレンズ熊本」でも支援事業(無料手術)を行っています。
 詳しくはリンク先をご覧の上、管轄保健所までお申込みください。(リンク:飼い主のいない猫の避妊去勢手術支援事業)

屋外トイレを設置しましょう

猫が原因のトラブルで最も多いのが、糞尿被害です。
 猫は決まった場所(餌場以外の場所)に排泄する習性があるため、猫用トイレを設置することで、それ以外の場所での糞尿被害を減らすことができます。

エサは1匹ずつ対面で与えましょう

エサは、必ず対面で決まった場所で与えましょう。
 また、置きエサ、食べ残しの放置は、避妊去勢手術をしていない他の猫や、猫以外の野生動物を寄せ付けることになるので、絶対にやめましょう。野生動物由来の感染症が猫や人に発生したり、猫が野生動物に襲われるきっかけになるなど、大変危険です。

写真:猫2匹
写真:猫

自宅でできる猫除け対策

猫が庭などに入り込むのは、その場所が猫にとって快適な場所になっているからだと考えられています。
 逆に、その場所が猫にとって居心地の悪い場所になれば、猫はやって来ません
 そこで、猫を遠ざけるのに効果があると言われている方法をご紹介します。

<猫を遠ざける方法> ※公益財団法人 東京都ペストコントロール協会HPより
  方法 具体例、注意事項等
1 散水する

十分散水すると濡れている間は排泄場所として好みません。

2 尖ったものを置く

ヒイラギ、枯れ枝、猫除けシート等を配置します。

3 べたべたするものを置く

粘着テープの粘着面を上にして貼って置きます。

4 光るものを置く

数本の大きなペットボトルに水を入れて配置します。

5 音のするものを置く

アルミホイルや防犯砂利等で歩くと音がするといやがります。

6 物を置いて通りにくくする

松ぼっくり、大きな石、ネット、テグス等で歩きにくくする。

7 花壇に嫌う臭いの植物を植える

ペパーミント等のハーブ、ドクダミ等を植えます。

8 臭いによる処置

木酢液、酢を薄めて散布するか、布やスポンジに浸して拭く。
ミカンの皮を置く。ハッカの臭いのするものを置く。

9 刺激物質による処置

タマネギ、ニンニクを刻んで撒く。
唐辛子、コショウ、カレー粉、コーヒーかすを撒く。

 

他にも、水をかける、センサーで侵入を感知して音や高周波音を発生させる等の商品や、様々な形態・成分の「忌避剤」が販売されています。

  • 猫への効果には個体差があります。また、猫が慣れてくると効かなくなる場合があります。
    あまり効果がない場合は、別の方法を試してください。
  • 猫は愛護動物です。虐待になるようなやり方は絶対にしないでください。
    法律で罰せられるおそれがあります。

既に猫が増えてしまっている場合

適正な管理ができず、既に猫が増えている、トラブルが発生している場合は、早急に管轄保健所やアニマルフレンズ熊本にご連絡ください。対策方法や実施する順序について、ご相談を承っております。

【保健所等の連絡先はこちら】