人と動物が共生するくまもとを目指して

近年、犬や猫などの動物を単なるペットとしてではなく、大切な家族の一員として、また、心の安らぎを求めて飼う人が増え、犬や猫はますます身近な存在となっています。
熊本県では、飼い主、県民、獣医師会、動物愛護団体、ボランティア、動物取扱業者及び行政の各関係者が協働して動物愛護に取り組むための共通の行動指針として、平成30年(2018年)3月に「第3次熊本県動物愛護推進計画」を策定しました。
“命を大切にし、やさしさあふれる人と動物が共生するくまもと”の実現に向けて、動物愛護に関する様々な取組みを推進しています。
- 飼い主における適正飼養・終生飼養の推進(入口対策の推進)
犬猫の終生飼養に関する普及啓発の強化、犬猫の適正飼養の徹底、マイクロチップ等の所有者明示措置の推進、動物の遺棄・虐待防止、多頭飼育に起因する問題への対応 等
- 動物愛護精神の涵養(飼い主以外の者に対する動物愛護等に関する啓発の強化)
幼少期の頃の動物愛護精神の涵養、その他の世代に対する動物愛護精神の涵養、飼い主のいない猫への対応 等
- 保護動物の返還・譲渡の推進(出口対策の推進)
保護動物の返還促進、保護動物の譲渡促進 等
- 保護動物の適正管理の徹底
保護動物の健康安全を考慮した飼養管理の推進、新たな県動物愛護センターを拠点とした動物愛護の推進 等
- 動物取扱業者等による動物の適正な取扱いの推進
動物取扱業者における動物に対する適正飼養の徹底、特定動物の適正飼養の徹底 等
- 災害などの危機への的確な対応
災害時の動物救護体制の充実、動物由来感染症の対応強化 等
詳しくは「第3次熊本県動物愛護推進計画」本文をご覧ください。
動物愛護センター「アニマルフレンズ熊本」設置の経緯
昭和54年(1979年)、熊本市東区戸島に現在の熊本県動物愛護センターの前身となる「熊本県動物管理センター」を開設しました。このセンターは、県内の保健所が捕獲した犬や引き取った犬猫を収容し、殺処分を行うための施設でした。
その後、動物愛護に関する社会意識が大きく変化し、犬猫の殺処分についても見直す必要が出てきた中、平成28年(2016年)4月に熊本地震が発生しました。被災した犬猫が多数センターに保護されましたが、一時的に殺処分を止め、県内外からの協力を得たことで、多くの被災犬猫を返還又は譲渡することができました。この流れを止めないために、県政運営の基本方針となる「熊本復旧・復興4ヵ年戦略」で、本県は”犬猫の殺処分ゼロを目指す”ことを掲げました。これに伴い、センターの役割が”管理”から”愛護”へと大きく転換することとなり、施設名称も、平成29年(2017年)4月に「熊本県動物愛護センター」へと変更しました。
しかし、センターは老朽化が激しく、適正な個体管理が難しい等の課題があったため、本県の動物愛護の新たな拠点となる施設が必要となりました。そして令和6年(2024年)3月、新たな熊本県動物愛護センター「アニマルフレンズ熊本」を宇城市松橋町に整備しました。
熊本県の動物愛護推進体制

熊本市東区戸島の旧動物愛護センターは、「熊本県動物愛護センター別館」として、アニマルフレンズ熊本と一体的に運営を行っています。
別館では、すぐに譲渡ができない犬を収容し、譲渡に向けたトレーニング等を行っています。
県内に10ヶ所ある保健所では、各管轄地域の迷子・負傷犬猫の保護・収容・返還・譲渡、飼い主への指導などを行っています。保健所での収容状況等に応じて、保護犬猫をアニマルフレンズ熊本及び別館に移送することで、保健所での収容キャパシティを確保し、迷子・負傷犬猫の保護に備えています。
また、熊本市動物愛護センター、熊本県獣医師会や動物愛護団体等とも連携し、動物愛護の取り組みを進めています。